コーヒー豆って美味しく飲めるのはどれくらいの期間?上手の保存する方法は?

コーヒーのこと

「買ってすぐに淹れたコーヒーは美味しかったけど、1~2週間経って淹れたらなんだか酸っぱくなってた。」なんてことはありませんか?

コーヒー豆はその見た目から長持ちしそうですが、意外とデリケートですぐに劣化が進んでしまう鮮度がとても大切な食品です。
その劣化は焙煎直後から始まり、何も対策をせずに置くと1週間程度でその味の変化が分かる程度まで劣化してしまいます。

可能な限り長く美味しい状態を維持してコーヒーを楽しみたいですよね。

今回はコーヒーの劣化と対策について記録します。

コーヒー豆の劣化とは…

まずは、コーヒー豆の劣化について簡単に説明します。

焙煎されたコーヒー豆の劣化は他の食品と同じように温度、湿度、光、酸素が大きく影響しています。
それぞれの要因と劣化の関係について掘り下げていきます。

温度と劣化

劣化は化学反応であり、その反応速度は温度が大きく影響します。
温度は劣化の直接の原因ではありませんが、温度が上がるほど劣化が早くなります。

対策としては冷凍庫内での保管ですが、ニオイ移りと取り出しの際の結露を注意する必要があります。

湿度(水)と劣化

湿度(水)は加水分解と呼ばれる分解反応を起こし、結果として不快な酸味の原因となる成分を発生させます。

対策としては密閉できるキャニスターや湿気を透過しない材質でできた袋による保存です。
乾燥剤と一緒に保存すれば対策を強化できます。

光と劣化

光はコーヒー豆に含まれる成分中の化学結合を切ってしまうため、劣化の原因になります。特に紫外光になるほどそのエネルギーは強くなるため、影響は大きくなります。

対策としては金属製の角缶やアルミ蒸着袋などの遮光できる容器による保存です。

酸素と劣化

酸素は酸化反応による劣化の原因になります。
酸化反応は多くの分解反応に寄与しているため、コーヒー豆中に含まれる様々な成分を分解します。
不快な酸味の増加、フレーバーの減少、その他成分の減少につながります。

対策としては、湿気対策と同じで密閉できるキャニスターや酸素を透過しない材質で出来た袋による保存です。
こちらは脱酸素剤が効果的です。

その他、劣化に影響する因子

豆の状態か、粉の状態か

コーヒー豆は、挽いた粉の状態では豆の状態よりも表面積が格段に広がるため、劣化の原因と接触する機会が増えて劣化が著しく早くなります。
粉の状態の劣化速度は豆の状態の2倍くらいになると考えておいて間違いありません。

周囲のニオイ

焙煎した豆の表面は肉眼では見えない非常に細かい孔がたくさん開いている多孔質になっています。
焙煎によって乾燥していることも併せて、焙煎したコーヒー豆は湿気や臭いを吸着しやすい状態です。
劣化とは異なりますが、カビの発生やニオイ移りの原因になります。

コーヒーは抽出後も劣化は続いている。

余談ですが、この劣化の現象はコーヒーを抽出した後も続いています。
淹れてしばらく放置したコーヒーを酸っぱいと感じたことはありませんか?
これは、コーヒー中の成分が多量の水に接しており、更にアイスコーヒーを除けば高温であるということが原因だと個人的には考えています。
つまり、抽出したコーヒーに含まれる成分は加水分解には最適な条件下に置かれていることになり、抽出されたコーヒーはかなり早い速度で加水分解されて、酸っぱくなっているのです。
コーヒーが水に抽出する飲み物である以上、加水分解は避けられないということになります。
高温で劣化が急速に進んでいる状況を考慮するとアイスコーヒーとして劣化を遅らせながら飲むか、淹れたらあまり時間を掛けずに飲むことをオススメします。

コーヒー豆の保存方法

劣化の原因が少なくなれば良いわけですから、温度、湿気、光、酸素との接触を減らすことでコーヒー豆の劣化を遅らせることができます。

保存容器の選定

まず、湿気、光、酸素による劣化についてはコーヒー豆を保存する容器で一括軽減できます。

遮光性キャニスター

陶器やホーローといった遮光性のある材質で出来たキャニスターを保存容器にすれば、湿気、光、酸素の接触を減らすことができます。

アルミ蒸着袋(チャック付き)

アルミ蒸着処理したPETやPEのフィルムでできた袋を保存容器にすれば、湿気、光、酸素の接触を減らすことができます。

遮光性のキャニスターやアルミ蒸着袋(チャック付き)はいずれも脱酸素剤や乾燥剤を併称することで、更に保存性は強化できます。
また、開け閉めしやすいというメリットがある反面、次に紹介するアルミ蒸着袋(ヒートシール)と比較すると密閉性が劣ります。

アルミ蒸着袋(ヒートシール)

アルミ蒸着袋(チャック付き)と同じ材質の袋ですが、ヒートシールによって密封することで気密性が格段に向上します。
一度開封してしまうと再度ヒートシールし直さない限り、同等の気密性を確保することはできません。

コーヒー豆を購入するとこの形で包装されているケースが多いはずですが、遮光性を確保できていない材質の袋の場合は遮光性の容器に入れる必要があります。

冷凍保存

次は温度対策です。
他の食品と同様に冷凍庫で保存することが現実的、且つ劣化を遅らせることができる非常に有効な方法です。
ただし、冷凍庫から取り出すときに外気との寒暖差で結露してしまうので、コーヒー豆を取り出したら自然解凍し、コーヒー豆の内部までしっかり室温に戻してから開封すること。

焙煎、封入後、保存しておく期間や開封してから飲み切るまでの期間によってその保存方法を変えることが重要なポイントになります。
また、ここに記録する保存期間は豆の状態での目安で、粉の場合は劣化速度が加速するため、半分以下の期間になると考えてよいです。

2~3週間で飲み切るならば室温でも良いが、それ以上かかるなら小分けにして冷凍保存するのが望ましいです。

具体的には…

① 開封後2~3週間以内で飲み切る場合

冷凍保存しない。

遮光性キャニスターかアルミ蒸着袋(チャック付き)で室温保存します。
ただし、室温が高い場合は早めに飲み切りましょう。

②開封後飲み切るのに3週間以上かかる場合

2~3週間で飲み切れる分ごとに小分けにして冷凍保存し、2~3週間以内に飲み切れる分だけ解凍し、飲み切る。

この冷凍保存する際の保存容器はアルミ蒸着袋(ヒートシール)が望ましいですが、ヒートシーラーがない場合はアルミ蒸着袋(チャック付き)を二重にするなどして対策を万全にする。
また、しつこいようだが室温になるまで自然解凍してから開封することがとても重要です。

③ いつ飲むか分からないが、鮮度にこだわりたい場合

1回分ごとに小分けにして冷凍保存する。
使用する直前で小分けにした一つを冷凍庫から取り出し、解凍を待たずに開封して使用する。ただし、抽出温度が下がってしまうこととに注意する。

この方法は解凍せずに開封するので結露してしまうが、劣化する前に使用するという考え方なので、以降室温保存はできないことに注意。
また、「解凍せずに開封」⇔「使用後に冷凍」を繰り返すと回数を重ねるたびに霜がついてしまうため、一回分ごとに小分けにすることがポイントです。

美味しく飲める期間はどれくらい?

コーヒー豆の賞味期間について、まず全日本コーヒー協会では1~2年としています。
幅が広すぎてよくわからない、他に調べてみても色々な情報があって、どれが正しいのかよくわからないのではないでしょうか?
これは、どの情報も保存条件(温度、湿度、光度、酸素濃度)が一律ではないことと、各人の好みや判断基準なども異なることが理由です。
つまり、どの情報も間違いではないが、正確に再現もできないのではと個人的には考えています。
この記録も自分の個人的な好みや判断基準をもとにやや厳しめにして記録していますので、多少前後するものとして参考程度に考えていただけたら幸いです。

未開封の場合

密閉、遮光、室温の条件下で、豆の場合は1か月、粉の場合は2週間です。

これ以上の期間を保管したい場合は冷凍保存することをオススメします。
豆の場合で短くても3ヶ月くらいは延長できると思います。

開封した場合

開封してキャニスターやアルミ蒸着袋(チャック付き)に移した時から劣化が加速するため、豆の場合は2~3週間、粉の場合は1週間くらいかと思います。
それ以上経過したころから劣化を感じ始めます。

未開封1か月(冷凍保存3ヶ月)
2週間
開封後2~3週間
1週間

最後に

今回はコーヒーをできるだけ長く美味しく飲むための保存方法について記録しました。
結局、簡単にできる密閉と遮光をするだけで、豆なら2~3週間程度、粉なら1週間程度は美味しいコーヒーを楽しめます。
それほど気を配るようなことではありません。

コーヒーは気軽に楽しむものだと個人的には思います。
意図せずたくさんのコーヒーを入手してしまったときは、しっかりと保存する必要がありますが、可能ならば2~3週間(粉ならば1週間)で飲み切ることができる量を購入し、あまり神経質にならずに手軽な方法で保存することをオススメします。

今日も美味しいコーヒーが楽しめるといいですね。

では、また…

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