コーヒーを淹れる時はどのような抽出方法にせよ、まずコーヒー豆を挽くことから始めます。
コーヒーを挽くとき、どれくらいの細かさにしていますか?
ペーパードリップで淹れるなら、中挽き、中細挽きくらいの細かさにしていることが多いのではと思いますが、その中でも細かさが少し違うだけで味が変わってきます。
実は粉の細かさは意外と味に影響します。
今の美味しいと思っている細かさを少し変えてみたら、もっと美味しくなるかもしれません。
もし、自分の淹れたコーヒーが好きになれないと思っているのなら、細かさを少し変えるだけで劇的に美味しく好きになれるかもしれません。
いつも通りに淹れているのに、細かさを少し変えるだけで美味しくなるかもしれないなんてちょっと気になりませんか?
このコーヒー豆を挽いたときの粉の細かさを「挽き目」と言いますが、今回はこの挽き目について記録します。
コーヒーを淹れる時、なんで粉にするの?
そもそも、なぜコーヒー豆を粉にするのか?
それは、細かくすることで①抽出効率をあげ、②抽出時間を長くしてコーヒー成分をたくさん抽出するためです。
抽出効率を上げる。
豆を粉にすることでお湯と接触する面積が広がります。
つまり、短い時間で効率よくコーヒー成分が抽出できるようになります。
抽出時間を長くする。
粉になるとお湯の通り道が狭くなって流速が遅くなり、粉とお湯の接触している時間が長くなります。
結果としてコーヒー成分がたくさん抽出されるようになります。
しかしながら、表面積が増えるということは湿気や酸素との接触面積が増えることにもなり、劣化が早くなることにも注意が必要です。
コーヒーの劣化について、下記で記録しています。
コーヒー豆って、どれくらい保存できるの?
上手に保存する方法は?
抽出方法によって適した挽き目がある。
挽き目は「極細挽き」「細挽き」「中細挽き」「中挽き」「粗挽き」の5段階に区別されていて、抽出方法によって適してた挽き目があります。
因みに挽き目に基準というものはなく、この記録も含め色々なところで勝手なことを言っています。(笑)
とは言え、この記録でおおよその目安になる程度には近いことを言っているはずです。
極細挽き
パウダーシュガーくらいの大きさ。
非常に抽出効率が良い。
圧力を加えて一気に短時間で抽出するエスプレッソに適している挽き目です。
その他にターキッシュコーヒー(トルコ式コーヒー)もこのくらいの挽き目になります。
極細挽きまで細かくすると、ペーパードリップなどの抽出方法では抽出時間が非常に長くなることも併せて、コーヒーが濃くなりすぎたり、過剰に「雑味」を感じてしまいます。
細挽き
パウダーシュガーと上白糖の中間くらいの大きさです。
水出しコーヒーではこの挽き目で抽出します。
水出しコーヒーは他の抽出方法と比べて抽出温度が低いため、抽出効率の良い挽き目で、ゆっくり時間を掛けて淹れることになります。
その他にベトナムコーヒーもこのくらいの挽き目になります。
中細挽き
グラニュー糖くらいの大きさ。
ペーパードリップやコーヒーメーカーに適しています。
粉として売られているものは特に指定がなければ、この中細挽きです。
中挽き
グラニュー糖とザラメの中間くらいの大きさ。
お湯との接触時間が比較的長い抽出方法に適しています。
じっくり抽出するようなサイフォン、ネルドリップ、フレンチプレスなどがそれにあたります。
ペーパードリップなどの抽出方法では抽出効率が低く抽出時間も短いため、ほとんど抽出できず、とても薄い味になってしまいます。
粗挽き
ザラメくらいの大きさです。
抽出時間が長い抽出方法向き。
煮立たせながらじっくり時間を掛けるパーコレーターが適しています。
このようにペーパードリップやエスプレッソ、サイフォンなどといった各抽出方法の特性に合った挽き目があるわけですが、更に細かく挽き目を調整することで、好みの味に近づけることができます。
挽き目は味にどう影響するの?
では、挽き目はどのように味に影響するのか?
挽き目が細かくなるほどに「甘味」「コク」「苦味」「酸味」をはじめとするコーヒーらしい味わいや風味がたくさん抽出されることになります。
しかしながら、細かくし過ぎると望んでいない過剰な「苦味」や「雑味」も抽出されてしまうことになります。
対して、粗挽きになるほど、接触面積の減少と抽出時間の短縮からコーヒーはスッキリしていきますが、粗すぎると味が薄くなってしまいます。
つまり簡潔に言うと、挽き目は不快なものも含めて、味の濃い、薄いをコントロールします。
例えば「苦味」は苦手で「甘味」や「コク」などが好みの場合、浅煎りのコーヒー豆で「苦味」を抑え、少し細かめにして「甘味」や「コク」を抽出するといった他のパラメーターとの組み合わせで淹れてみてはどうでしょうか?
粉の細かさの均一性が味に統一感を出す。
コーヒーに限らずですが、粉の大きさを表現する一つの手法として粒度分布があります。
粒度分布は粉の大きさを横軸に、粉の量を縦軸にしたグラフで表現できます。
この分布の幅が広い、つまり粉の大きさが大小様々だと抽出効率も様々になってしまうため、味に統一感が無くなってしまいます。
対して、分布の幅が狭い、つまり粉の大きさが均一になるほど抽出効率も均一になるため、味に統一感が出てくるということです。
粒度分布の幅についてはミルの性能や挽く速度に左右されます。
全てを同じ大きさにすることは100%不可能だが、挽き目は可能な限り均一にしたいですね。
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最後に
挽き目はコーヒーの味を決めるパラメーターの中の一つです。
とは言え、あまり難しく考えずに、
「前回はちょっと濃かったから、今回は少しだけ粗く挽いて淹れてみよう」とか…
「今日は少し濃いコーヒーが飲みたいから、少しだけ細かく挽いて淹れよう」とか…
極端な挽き目は逆効果なので注意する必要はありますが、個人的にはコーヒーの濃さを簡単、且つ明確にコントロールできる手段が挽き目だと考えています。
この記録がコーヒーを美味しくできるヒントになったら幸いです。
では、また…
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