ハイリフトジャッキを使った木の抜根方法 – 庭木の抜根を簡単にする意外な道具

杜の棲家

庭の片付けを始めてそろそろ2年が経過しようとしています。
とは言え、作業は単純に庭木を「伐採」、「抜根」、「処分」の繰り返しです。

人生に一度あるかないか…むしろほとんどの人が経験することのない事だと思いますが、なかでも「抜根」という作業が完了した時の達成感と爽快感はなかなかのものです。

この達成感と爽快感が得られるのは、この抜根がとても重労働だからに他なりません。
庭木の周りの土を掘りだしたり、色々な姿勢を保つためにかかる腰への負担、大きな石に行く手を阻まれたときの挫折感、いつまで続ければいいのか分からないという不安感、これらに長時間耐えるための精神力や体力の著しい消耗…

大変な重労働…正直なところ、この達成感と爽快感を差し引いても、避けられるなら避けたいくらいの作業です。

そんな庭木の抜根に心強い味方を見つけました。

ハイリフトジャッキと言います。

オフロード車など車高の高い自動車をジャッキアップするために使用するのが本当の使い方のようですが、その使い勝手の良さから農機具などとして使用されることもあるそうです。

今回はそのハイリフトジャッキを使用した庭木の抜根方法について記録します。

【Hi-Lift(ハイリフト)正規品】ハイリフトジャッキ キャストスチールシリーズ 耐荷重約3.1トン汎用 カスタム パーツ カーパーツ カスタムパーツ 部品 改造 カスタム部品 外装小物 アウトドア 外装 外装パーツ

ハイリフトジャッキはとても危険

まず、ハイリフトジャッキの使用方法を説明する前に使用上の注意についてです。

そもそも(少なくとも「杜の棲家」で購入した)ハイリフトジャッキは耐荷重が約3t(3000kg)です。
スゴイですねぇ…

ただし見方を変えると…

実際に3tまで力が加わるかどうかは対象物によりますが、人の力では持ち上げられない物を持ち上げるわけですから、それ相応の力がハイリフトジャッキに掛かるということです。

何が言いたいかというと、何かの拍子でその力が人に向いてしまったとき、大ケガをすることは間違いなく、命の危険すらありうるということです。
危険が伴う道具だということです。

ハイリフトジャッキは最大で3tの力を生み出すことができる非常に便利な道具であると同時に、3tに及ぶエネルギーが暴走した時は極めて危険な凶器になるということを認識し、細心の注意を払いましょう。

ハイリフトジャッキの基本的な操作方法

次に、ハイリフトジャッキの基本的な操作方法について説明します。
(抜根への応用についてはこの後に説明します。)

他のハイリフトジャッキを使用したことがないので細かいところは異なるかもしれませんが、ここではこのようなモノだというイメージ程度で読んでいただけたらと思います。
実際に使用する場合は購入したハイリフトジャッキの取扱説明書を熟読しましょう。

①ハンドル ②レール ③リバーシングラッチ ④フック (ロープはついてきません。)

ジャッキアップ方法

1. リバーシングラッチを上げる。
2. ジャッキアップしたいモノと地面の間にハイリフトジャッキをセットする

この時、以下の2点に注意する。

  • 斜めに力がかからないようにする。
  • 地面とハイリフトジャッキが滑らないようになっている。
3. ハンドルを持ち、ジャッキアップしたい方向に人力で可能なところまで引き上げる。
持ち上げるものが身近になかったため、実際の画像がなくてスミマセン。
4. 再度、斜めに力がかからないか、滑らないか、安全であることを確実に確認する。
5. 慎重にハンドルを上下させる。(ハンドルを下すときにジャッキアップされる。)
持ち上げるものが身近になかったため、実際の画像がなくてスミマセン。

ジャッキダウン方法

【注意1】ジャッキダウン中はレールとハンドルの間に身体や頭を入れない。
⇒ジャッキダウン中はハンドルが勢いよく跳ね戻るため、怪我の恐れがある。

【注意2】ジャッキダウン中はフックなどの下に身体や頭を入れない。
⇒フックに負荷がかからなくなるとフックが一番下まで落ちるように下がるので、怪我の恐れがある。(フックは負荷がかかっている間は落ちないが、負荷の有無が分かりにくいので突然フックが落ちてくる。)

1. リバーシングラッチを下げる。
2. ハンドルを上下する。(ハンドルが上がるときジャッキダウンされる。)
持ち上げるものが身近になかったため、実際の画像がなくてスミマセン。

ハイリフトジャッキを使用した庭木の抜根

準備するもの

ハイリフトジャッキ
ロープ 3mくらい

庭木を吊り上げるのに使用するため、高強度のロープが望ましい。(今回はナイロンロープ(太さ12mm、引っ張り強度2800kgf)を使用している)

1.5m単管パイプ 2本
固定ベース 2個
単管クランプ(自在) 1個
ロープ 2mくらい

ハイリフトジャッキと単管パイプを固定するために使用。(今回はなぜか倉庫に眠っていたトラ紐を使用)

細心の注意

これが最も大切。

抜根手順

いよいよハイリフトジャッキを使用した抜根方法です。

① 単管パイプ2本の端を単管クランプ(自在)で固定する。
② ハイリフトジャッキと単管パイプを写真のように配置し、トラ紐で固定する。

ハイリフトジャッキの足元を頂点とした二等辺三角形になるように2本の単管パイプの足元を配置(写真参照)し、ハイリフトジャッキの足元付近に抜根したい根の幹が配置されるように設置する。

③ 単管パイプの足元に固定ベースを取り付け、地面に単管パイプが刺さらないようにする。
④ ハイリフトジャッキのフックと幹をロープでしっかり固定する。

固結びなどの引っ張ると締め付けるような結び方だと後でロープが外せなくなので、ふた結びなどの引っ張った後もテンションが掛からなくなるとほどけるような結び方にする。

⑤ ハイリフトジャッキのハンドルを上下させ、ゆっくり、且つ慎重にジャッキアップする。

途中、単管パイプにかかっている負荷が片方に偏っていないかをこまめに確認する。
*ハイリフトジャッキは負荷がかかると単管パイプの方向に倒れていき、それを単管パイプ2本で支えるようになっているのだが、ハイリフトジャッキの倒れる方向がズレると片方の単管パイプが不安定になり、危険な状態になる。

⑥ ⑤を繰り返す。
⑦ さらに繰り返し、抜根完了。
この時はハイリフトジャッキの高さでは抜ききれなかったため、ロープと幹を再度結び直した。
根の周りにある土をスコップなどでたたいたりしながら落とす。
抜根完了。

ポイント

ハイリフトジャッキを使用した抜根で、難しいポイントは①幹とロープの固定、②単管パイプとハイリフトジャッキの配置だと個人的には思っています。
次に少しだけ解説します。

この辺りのポイントと木の大きさなどの課題をクリアすれば、非常に簡単に抜根することができます。

ポイント① 幹とロープの固定

幹とロープの固定は一番難しいポイントだと思います。
その理由は根っこを引き抜くだけの力がこの固定している箇所だけに作用するということです。
つまり、中途半端な固定方法では外れてしまいます。
オススメの固定方法は船舶やキャンプなどで用いられるロープワークです。
インターネットで検索すればその方法が色々見つかるので、探してみてください。
ここで注意しなくてはならないのは、引っ張るほどより強固になっていく固結びのような結び方にしてはならないこと。
ロープが外せなくなります。

もう一つ幹とロープの固定が難しい理由は、幹は地面と垂直の方向(幹を引き抜く方向)に生えているということ。
何も考えずに固定しようとしても殆どの場合、容易に滑ってしまいます。
どういう事かと言うと、ただ結んでいるだけでは幹にロープが巻かれているだけになってしまい、固定されていないということです。

幹にロープが引っ掛かる箇所があればいいのですが、ない場合は固定するのが非常に困難です。
体力と時間だけが失われていきます。

これは六角コーチスクリューと呼ばれる木工用ねじが解決します。

引っ掛かる箇所がないなら作ればいいという考え方です。
幹に六角コーチスクリューを刺して、その六角コーチスクリューに引っ掛かるように結べば、あっけなく固定できます。

ポイント② 単管パイプとハイリフトジャッキの配置

単管パイプとハイリフトジャッキの安定感はこれらの配置にかかっています。
これがしっかりしていないとハイリフトジャッキの引き抜く力がうまく幹に伝わらなくなりますし、事故につながる可能性も高くなります。

単管パイプの役割は、ハイリフトジャッキが幹を持ち上げる時、幹の方向に倒れてしまうハイリフトジャッキを支えることです。
つまりハイリフトジャッキと単管パイプの足の配置は、ハイリフトジャッキの足を頂点にして2本の単管パイプの足で二等辺三角形を作り、その中央よりもハイリフトジャッキ側に幹があるような配置にすることが基本です。
こうすることで、幹の方向に倒れるハイリフトジャッキを2本の単管パイプが均等な力で支えられます。

この配置が崩れると安定感が無くなる。

そして、言い換えるとハイリフトジャッキと単管パイプ2本が置けない壁際などは抜根が困難になるということにもなります。

また、幹を中心に張り出している根の上にハイリフトジャッキを置いた場合は抜けなくなるので、抜けない場合は何度か位置を変えてチャレンジしてみるとうまく抜ける場合もあります。

【Hi-Lift(ハイリフト)正規品】ハイリフトジャッキ キャストスチールシリーズ 耐荷重約3.1トン汎用 カスタム パーツ カーパーツ カスタムパーツ 部品 改造 カスタム部品 外装小物 アウトドア 外装 外装パーツ

最後に

今回はハイリフトジャッキを使用した庭木の抜根方法について記録しました。

しつこいようですが、不注意で大ケガにつながる道具なので細心の注意が必要です。
あと、まあ…重いです。
14kg弱あります。
単管パイプを括り付けると更に重くなり、抜根の準備をするだけで体力を消耗します。
大技を繰り出すにはそれなりの対価が必要だということです。

それでも庭木の抜根ではかなり有効な道具だと思います。
あまりある効果を発揮することは間違いありません。
根が埋まっている土の状態や根の張り方に左右されるのではと思いますが、過去の経験から直径10cmくらいの幹の根なら抜けるポテンシャルを持っています。
幹の太さは色々でしたが、調子がいい時はほんの2~3時間で3~4本を抜根できた実績があります。

また、稀に埋まっている浴槽を掘り出すときもハイリフトジャッキがあると非常に便利です。

通常の生活を送っているならば経験することはないと思いますが、万が一抜根することがありましたら、ハイリフトジャッキの使用を検討してみてはどうでしょうか?

では、また…

コメント

タイトルとURLをコピーしました