酸味が醍醐味…意外と美味しい浅煎りコーヒー。美味しい浅煎りコーヒーの淹れ方。

コーヒーのこと

スペシャルティコーヒーというワードを目にするようになったころから、浅煎りコーヒーを出すお店も多く見るようになりました。

昔のコーヒー豆はコスト重視だったために今のものよりも品質が悪く、浅煎りだと青臭さや不快な酸味が出てしまう豆が多かったため、それを打ち消すために深めの焙煎度にしていたそうです。

スペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質で個性豊かな酸味や香りを楽しめるコーヒー豆が多く出回るようになったために浅煎りコーヒーが見直されるようになったようです。

そんな浅煎り豆ですが、深煎り豆と同じ淹れ方をしているとせっかくの浅煎りコーヒーを満喫できていないかもしれません。
あの不快な酸味がイヤだという理由で浅煎りコーヒーを避けているのだったら、損をしているかもしれません。

試してみたくなってきませんか?

今回は、浅煎りコーヒーの淹れ方について記録します。

浅煎りコーヒーってどんな豆?

そもそも浅煎り豆ってどのような特徴のある豆なのでしょうか?

浅煎り、中煎り、深煎りと大きく分けて3段階に分けられている焙煎度のうちで一番焙煎されていない豆です。
もう少し細かく分けるとライトロースト、シナモンローストが浅煎りに分類されます。
ミディアムローストは中浅煎りと呼ばれるくらいなので、まあ浅煎りの仲間に入れても良いかなくらいでしょうか…

浅煎りほど「苦味」成分が少なく、「酸味」成分が多いという傾向があります。
焙煎が深煎りに向かって進むほど「苦味」成分が増加し、「酸味」成分が減少していきます。
また、それ以外の「甘味」「香り」「コク」といった風味は浅煎りから徐々に増加していきます。
ただ、深煎りまで進んでしまうと「苦味」に支配されて隠れてしまいます。

要するに浅煎り豆は、「酸味」が多く感じられ、深煎りでは隠れてしまうような「甘味」を始め、「香り」「コク」もしっかり楽しめる焙煎度ということです。

他にも次のような浅煎りならではの特徴があります。

  • 産地や品種の個性を楽しむことができる焙煎度。
  • 個性的な「酸味」というのはよくフルーツに例えられ、「酸味」が苦手と言っている人の思っているものとはおそらく異なる。

個人的な考えですが、コーヒーの風味が好きという方は浅煎りをぜひ一度試してみることをオススメします。

因みに「酸味」が苦手と思っている人の「酸味」は未熟な生豆が原料であることや焙煎度が劣化していることによって引き出される「酸味」だと思います。

浅煎りコーヒーは成分をしっかり抽出する。

浅煎りコーヒーの醍醐味は「酸味」、「香り」、「甘味」が産地や品種ごとに特徴があり、各々で個性を楽しめることだと個人的には思っています。

深煎り豆の場合、「香り」や「甘味」といった成分を抽出しようとすると「苦味」も抽出されるため、「苦味」ばかりが強調されてしまいますが、浅煎り豆の場合、「苦味」成分が少ないため、目一杯抽出しても「苦味」が目立つようなことはありません。

また、「酸味」成分は他の成分よりもお湯に溶け出しやすいので、抽出操作で「酸味」成分だけ抽出を抑えることはできません。
このため、「酸味」以外の成分の抽出量をコントロールすることで味のバランスを取ります。

以上のことから、浅煎りコーヒーの淹れ方は浅煎り豆に含まれている成分を可能な限り溶かし切る方針で抽出します。

単純明快です。

ただし、「雑味」なども抽出されてしまうので、「雑味」が感じられる少し手前に調整する必要があります。

より具体的なポイントは以下の通り。

  1. 各成分を溶け出しやすくするために、抽出温度は高めにする。
  2. お湯との接触面積を広くするために、挽き目をやや細かくする。
  3. 抽出効率をよりよくするため、お湯を勢いよく注ぐ

浅煎りコーヒーの淹れ方

次に、具体的な浅煎りコーヒーの淹れ方を記録します。
自分が思う基準となる浅煎りコーヒーの淹れ方です。
そこから各自の好みに合わせてアレンジしてみてください。

①準備(出来上がり予定量は約180mL)

準備するものは以下の通り。

  • 中細引きコーヒー粉 12g
  • 水 200g(コーヒー粉の16.7倍)
  • ハリオV60透過ドリッパー
  • ペーパーフィルター
  • コーヒーサーバー
  • ドリップポット
  • 秤(タイマー機能付きなら尚よい)
②水を(グツグツするまで)沸騰させる。

約93℃のお湯でドリップする。
目安として、グツグツと沸騰したお湯を室温のドリップポットに移すと大体93℃になる。

③秤の上にドリップの準備をして、秤の値を0gにする。

あらかじめ、コーヒーサーバーをお湯で温めておく。
抽出開始前にお湯を捨てるのを忘れないように。

④【注湯1回目】コーヒー粉全体が濡れるようにお湯30gを注ぎ、30秒待機(蒸らす)。
二人分なので、注いでいるお湯の量は2倍量。

以降の注湯を含め、お湯は「の」の字を描きながら勢いよく注ぐことで可能な限りコーヒー粉とお湯を撹拌する。

⑤【注湯2回目】お湯を50g注ぐ。
⑥【注湯3~5回目】30秒待機後、お湯を40g注ぐ。
⑦注湯5回目後、落ちきったところで抽出完了。

注湯1回目から2分30秒くらいが目安。

浅煎りコーヒーを楽しみましょう。

自分好みに調整しよう。

一度の抽出で完璧な抽出条件を見つけることは難しいので、何回か試すことになります。

調整するためのパラメータは一つにする。

調整する時、変化させるパラメータは一つにして、他のパラメータは固定します。

オススメのパラメータは挽き目。

調整するパラメータは挽き目が管理しやすいと思います。
淹れたコーヒーを飲んだ時、不快な味がなければ細挽きに、不快な味があるようならば粗挽きに少しずつ調整していきます。
不快な味があった時となかった時の境目の一段階粗挽き側が最適な挽き目ということになります。

挽き目を変えることができない場合は温度。
挽き目は固定して、温度を変化させます。
高温ほど、「雑味」が出やすくなります。
温度計で管理するのが良いですが、温度計がない場合は沸騰したお湯をドリップポットに移してからの時間で管理してみてはどうでしょうか?

「酸味」が強すぎる場合は少しずつ焙煎度を中煎り寄りに…

浅煎りコーヒーは「酸味」が強いのが特徴です。
一番浅いライトローストは特に「酸味」が極端に強いので、少し抑えたいという人は、シナモンローストやミディアムローストを試してみてはどうでしょうか?

あと、ミルクなどでマイルドにするという方法もあります。
そもそも風味全体が大きく変化してしまうので、これこそ好みによりますが…

最後に

美味しいコーヒーの抽出条件を探すために、そしていつも同じ美味しいコーヒーを淹れるために、可能な限りパラメータを固定する癖をつけるのが近道です。
コーヒーの味を決めるパラメータは豆の品種や産地、焙煎度などもありますが、コーヒー抽出時のパラメータは挽き目、コーヒー粉量、抽出温度蒸らし時間、お湯を注ぐタイミング、お湯を注ぐ回数、注ぐお湯の量…挙げればキリがありません。

眩暈がしそうです。

裏を返せば、簡単に変えることができるので、気分やサイドメニューによって味を簡単に変えることができるのもコーヒーの良いところだと個人的には思います。

コーヒーを楽しむお手伝いが出来たら幸いです。

では、また…

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